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前述のように、名だたるメジャー・オーケストラがしのぎを削る中、私がNYPのシリーズに魅力を感じる理由とは・・・
①全てライブであること(そして拍手が入ること)
→ライブであるという点については、上記の4団体も同様。私個人の話で申し訳ないのですが、仕事柄なかなかオーケストラの実演に触れる時間が取れないため、セッション録音よりも臨場感を味わえるライブ音源に惹かれます。聴衆の咳やザワザワした音など必要ないと思う方もいらっしゃるでしょうし、その気持ちもよく理解できますが、こればかりは好みの問題。このシリーズの『ボレロ』では、一番初めの(期待に満ち溢れた)フルートソロのところで、観客の大きな咳の一撃に見舞われます。『ミサ・ソレムニス』では、(おそらく)指揮台のギシギシ音がアンサンブルに加わります。この辺は許容できない方もいらっしゃるでしょうが、私自身は全然有り。また、ライブ感を求めているので拍手はマストであり、このシリーズではいくつかの例外を除き拍手が入ります。
②協奏曲が豊富であること
→これは、上記の他のオーケストラのシリーズには無い最大の特徴でしょう(サンフランシスコ響のシリーズにもコンチェルトはあるが、いかんせんここはまだタイトルが少ない)。実際の演奏会で《小品→協奏曲→交響曲》というプログラムはよくあるパターン。だから、ライブ好きにとって協奏曲が多いのは嬉しい。もちろん、名門のNYPだけあって、ソリストもF.P.ツィンマーマン(vn)、ムター(vn)、アックス(pf)、ブロンフマン(pf)などメジャー級。他のシリーズに協奏曲がほとんど無いのは、一流ソリストの場合、契約の問題があるからということでしょうか。
③若き音楽監督 アラン・ギルバート
→カラヤン、ベーム、バーンスタインなどの古き良き時代の巨匠や、ムーティ、バレンボイム、メータなどの現代の巨匠はこれまでたくさん聴いてきました。でも、これからのクラシック音楽界を引っ張っていくであろう若い世代の指揮者も、音楽ファンとしてしっかりと押さえておきたい気持ちがあります。マズア、マゼールとここ最近は巨匠級の指揮者に率いられてきたNYPが、2009年シーズンからの新たな音楽監督として選んだのは、まだ40代前半のアラン・ギルバート。既に2017-18シーズンでの退任になりましたが、こういったネットでの配信や現代音楽への積極的な挑戦によって新たなファンを獲得してきたのも、若い音楽監督だからこそだと思います。これ以降、フィラデルフィア管弦楽団がネゼ・セガン、ボストン交響楽団がネルソンスというように、アメリカのメジャー・オーケストラが若い才能を選択したというのも、NYPとギルバートの影響があるのではというのは考えすぎでしょうか。
そして、ギルバートの後任であるヤープ・ヴァン・ズヴェーデンもギルバートより年上の57歳ながら、これからのクラシック界を引っ張っていくはずであろう一人。これからのNYPの新たな展開にも注目したいと思います。
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