9. 20th Century Masters: Bartók, Ravel, Debussy

◇バルトーク/弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽
【1】第1楽章 8:40
【2】第2楽章 7:21
【3】第3楽章 7:21
【4】第4楽章 7:56(拍手)
◇ラヴェル/ピアノ協奏曲 ト長調
【5】第1楽章 8:30
【6】第2楽章 8:33
【7】第1楽章 3:58(拍手)
◇ドビュッシー/交響詩『海』
【7】海上の夜明けから正午まで 9:14
【8】波の戯れ 7:24
【9】風と海との対話 8:33(拍手)

指揮/エサ・ペッカ・ サロネン
Pf/ダヴィッド・フレイ(David Fray)

録音/2009年12月
Total Time/78分

🎶
いきなり音楽とは全く関係ない話で申し訳ないのだが、いろんな意味でサロネンほど見た目とギャップのある指揮者はいないのではないか。

まず、今年で60歳という衝撃の事実。還暦である(外国で「還暦」とか無いと思うが…)もう、孫がいてもおかしくない年齢。つまり、「おじいちゃん」と呼ばれてもおかしくないのである。こんな素敵ななおじいちゃんがいたら、もし自分が孫だったらうれしい。

そして、あんな見た目で現代を代表する作曲家の一人であるという事実。作曲家といえば、「むさくるしい」「気難しそう」「変わってる」と相場が決まっているものだが、あんなにカッコいい作曲家がこれまでいたであろうか。おそらくベートーヴェンやマーラーにAppleのCMのオファーは来ないだろう。というか、あのCMを見てサロネンを知っている日本人はいったい何人いたのであろうか(もちろんクラシック音楽ファンは除く)。たぶん欧米ではスーパースターなのであろう。

そんなサロネンがNYPに客演した一枚は、バルトーク・ラヴェル・ドビュッシーという、いかにもな選曲。それはそうだ。サロネンを招いて、モーツァルトやチャイコフスキーをわざわざ振らせることはないだろう(少し聴いてみたくはあるが…)。例えば、スヴェトラーノフなら、バルトークではなくチャイコフスキーが聴きたいのと同じである。

『弦チェレ』はさすがサロネン。作曲家らしい明晰な演奏で、NYPの個人技もさすがとしか言いようがない。この難しい曲がこんなにわかりやすく、聴きやすく思えたことはない。やっぱりライブは良い。

ラヴェルの独奏は1981年生まれのフランス人ピアニスト、ダヴィッド・フレイ。よく知らないので調べてみると、何と奥様は演出家のキアラ・ムーティ(今年のローマ歌劇場の来日公演でも演出を担当)。つまり義理のお父さんは、あのリッカルド・ムーティである。ムーティが父親というのはちょっと怖すぎ…。ハンパな演奏など、とてもできない。

ラヴェルに関しては、少しピアノの音が遠すぎて細かいニュアンスが伝わりづらいのが気の毒なんだけど、タッチの強弱のつけ方が極端で正直なところ、よく理解できなかった。この曲の普段聴きは、アルゲリッチのルガーノでのライブ盤なので、どうしてもハードルは高い。でも、終演後の拍手は結構盛り上がってるので、ホールで聴いてれば良い演奏だったのだろう。

『海』も秀演。最後のスペクタクルな音楽の部分なんかホントに煌びやかで、アメリカのオーケストラらしくていいなって思った。

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